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水を考える

「水道の蛇口をひねって、コップにそのまま注ぐ・・・」日本全国で行われているごく普通の行為ですが、この状態の水を口にできるのは世界中でも数少ないということを聞いたことがある方も多いと思います。

国土交通省の発表によりますと、水道水の飲める国は15カ国ということだそうですが、その対象国のどの地域でも飲めるということではなさそう・・・といういことからすれば、現在の日本国内の状況というのは「かなり希少である」という評価が出来そうです。

多くの方がご存じのように、水道水は河川や湖沼の淡水を利用しています。しかしながら、この水については、地球上に存在する水のうち0.01%程度と考えられています。

内訳を見てみますと、地球上でもっとも多い水は、海洋中の塩水で97.5%、残りの2.5%のうち7割が氷河などの形で個体になっています。残りの3割のほとんどが地中奥深くの帯水層と呼ばれるところの地下水になっていますので、利用が難しい状態です。結果的に、人間が利用できる地表水と呼ばれる、河川や湖沼、比較的浅い地下水は、全体の0.01%ということになるのだそうです。

水道水というのは、河川、湖沼、ダム湖、伏流水、地下水等の水源から採水したものに対して、「沈殿・ろ過・消毒」の三つの工程を経て、雑菌等の繁殖が起こらない状態を維持しながら、利用者まで届けられるます。

つまり、採水時にどのような水なのか・・・ということも大切な要素です。

採水地より上手の地域において、下水道整備がなされていないというようなことがあれば、生活雑排水や工場排水なども含まれたものを採水せざるを得ないという状況も実際にはあるようです。

それらの水を、厚生労働省が接待した51項目(2018年4月現在)の水質基準があり、それに適合したものにし、さらに汚染を防ぐために塩素による消毒が必要というのが基本的なルールになってます。その塩素に関しても、残留塩素が0.1mg/L以上となっており上限が無いといういこともあり、自治体によってその基準は異なるということのようです。

また、実際の蛇口まで・・・ということになりますと、住宅の形式によっても異なる事があるそうで、ビルやマンションなどの場合は、一気に必要な場合の水の供給不足を補うための受水層というものが設置されており、いったん水道水を溜めておくという仕組みになっています。

ごく稀に、ということにはなるようですが、受水層に溜まった水が需要低下のために塩素濃度が下がってしまい、水槽内で雑菌が繁殖してしまうというようなこともあるようです。

つまり、「カルキが抜ける・・・」の言葉通り、水中の塩素濃度は低くなってしまうというの効果や影響というものも意識しておく必要があるということです。

日常生活に於いては、台所や洗面所、浴室などが水になじみのあるところになりますが、台所は、多くの人が常に注意を払っていますので良いと思いますが、意外と盲点になるのが浴室です。

浴室の壁や浴槽についてしまったヌルヌル・・・などがこれにあたりますが、このヌルヌルの正体の多くはレジオネラ菌によるバイオフィルムです。このレジオネラ菌ですが、糖尿病などの基礎疾患のある人や免疫低下の傾向になる人が吸い込んでしまうと肺炎を引き起こしやすいということで知られている菌です。

このヌルヌルを防ぐためには、清潔にといういことが大原則なのですが、レジオネラ菌が36℃前後で活発になることがありますので、浴室の洗浄後水シャワーで表面温度を抑えておくことで菌の繁殖やカビなどの予防になることも覚えておくといいかもしれません。

水道と言えば、利用するまでの上水道ばかりが気になるかもしれませんが、下水道も私たちの健康衛生にとって非常に大切なことになります。

下水道には、基本的に2つの方式があります。一つは旧来型の合流式と言われるもので、汚水と雨水などが一緒になり処理をしていく仕組みです。この仕組みの問題は降水量の急激な増加などで排水処理量を上回ってしまった場合に、オーバーフローしてしまい汚水と、雨水が混ざった状態の水が河川などの環境中に流れ出してしまうということです。

そのため、汚水と雨水を完全に分離し、2つの排水施設をつくるという分流式に変更しつつあるのですが、改修の状況も含め、この巨額のインフラ投資に対してあまり関心が向けられていないというのも現状です。

しかし、近年、この分流式による、水の汚染効果について疑問符が付き始めているのです。

現在のところの一番の有力な要因として、雨の降り始めの時に地表に存在する汚染物質が雨水管に流れ込んでいるのではと言われています。これは、地表に表土がなく大気中に飛散したの汚染物質の逃げ場がないということとも関係していると考えられており、スギの無い都心部のほうが花粉症の症状を訴える人が多いというのも同じことなのかもしれません。

自身の快適な生活と健康のために「水」を快適に利用するためにも水も大きな仕組みの循環の中で利用しているという視点も大切なのかもしれません。

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