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集成材っていいの?

ムク材と良く比較させることのある
エンジニアリングウッドである集成材について考えてみましょう。
実は集成材とは、より乾燥された材を得るための技術でもあると考えることができます。

たとえば、集成材をつくるのに、厚さ3cmほどのラミナを作りますが、
こうした小径材にすると乾燥のためのエネルギー量と時間が短縮できます。
逆に接着過程のある集成材は、乾燥させなければ製造できません。
そして乾燥させるほど木材は形状寸法も安定するので、
管理された木材になることも利点です。

でもムクの木に比べれば、集成材を生産するためには、
製材や接着など余分な工程とコストがかかります。
それを考えると、ムク材よりも集成材の方が、価格が高くなって当然のことです。
そして、集成材と同程度の含水率にしようと思えば、ムク材も同様に価格が高くなります。

たとえば、住宅に使われる柱の価格で、比較してみると次の通りです。
最後の集成材は、材料の違いです。
外材のホワイトウッド(WW)やレッドウッド(RW)であれば、集成材でも安く手に入ります。
安定した供給ができるので大手メーカーで採用しているケースが多いのですが、
比較的安い材料です。こうしたこともしっかり知っておくことが大切です。

集成材を進める人の中には「集成材の強度はムク材の1.5倍」という人もいます。
しかし現在の基準強度を考えれば、誤った表現です。
自然の材料である木材は、強度にも個性があり、
グレーティングで区分された材の中には集成材よりも強い材はたくさんあります。
集成材にすれば、強くなるというものではありません。

逆にムク材を進める人の中には、接着剤でくっつけることに否定的な人もいます。
種類によっては、水や火に強い接着剤もあり、
心配であれば、集成材を見て、接着面が黒い色をしていれば安心できます。
レゾルシノールという接着剤で、世界中で橋梁や大型建築物にも集成材は使われています。

じつは第二次大戦では日本軍はゼロ戦のプロペラに、
この接着剤を使用した集成材で作った実績があります。
70年以上も前に作られたその材は、未だに剥離もしないで残されています。

また、東大寺の柱や数々の仏像や寄木細工などでも、
木材を合わせる技術は、日本では伝統的に行われてきました。
陸稲や漆を接着剤にしていました。もっとも乾燥のためではなく、
大きな材が手に入らなかったためです。乾燥されていないムク材を使うよりは、
しっかりと乾燥させた集成材を使う方が得策と言えます。

柱やはりだけではなく、構造用の合板もいわば集成材の仲間です。
近年では特に建物強度を確保するために、
二階の床に厚物の合板を設置する現場も増えてきました。
ムク材だけにこだわるのではなく、木材の樹種を適材適所に選ぶのと同じように、
ムク材と集成材を選んで、目的に合わせて上手に使うことが何よりも大事なことです。

木造住宅の主役である木材について、これだけのことを知っておくと、
建設会社とのコミュニケーションを楽しめるようになります。
近隣に建設現場を見かけることがあったら、ちょっと質問をしてみると良いでしょう。
(おうちのはなし より)

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