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山のこと

日本は、森林資源が豊富な国であることを、皆さんはご存知でしょうか。
世界で第3位の森林保有国といわれ、自然豊かな国です。

例えば、高気密・高断熱の終始エアコンをつけることによって快適を得られる家では、原油資源がない日本は、資源に乏しいと言えるかもしれませんが、森がつくるさまざまなことを知れば、水の豊富さや実りの豊かさなど森林資源の寄与するものは、地下資源に比べて私たちの生活より前に「生きること」に近しいことが分かります。

災害が起きた時、高気密で高断熱の家では、電気が止まってしまった家の中で快適を維持することは難しく、夏の暑さには堪え難いでしょう。
森林資源の豊富な日本の長い歴史の上では、気候風土に対応できる理に適った家があります。
電気がなくても快適に過ごせる工夫がなされていて、それは、木と付き合ってきたゆえの先人の教えです。

さて、森林保有国で、木造住宅の多い日本ですが、今大きな問題があります。
その自給率が、わずか30%程度だということです。

新築住宅が其処此処でどんどん建ち並んでいますが、どれも外国の輸入材で建てられているのです。
世界的にみると「森林破壊」は進んでいて、そのスピードは、年間で日本の国土の1/3程度の面積の森林が失われています。
森林資源が豊かな日本人は、外国の森林をわざわざ使って、私たちはその中で暮らしているというわけです。

一方で、日本の山の樹は、伐採期を迎えても使われずに未だにずっと立っています。
光合成を終えた樹は、それでもまだ子孫を残そうと花粉を飛ばし続けています。
私たちが山の樹を使わないことで、日本の林業は衰退し、山は放置され、荒れて、保水力をなくし、大雨の降る近年では土砂崩れなどを引き起こしています。
水や実りの恵みであるはずの森林資源を、私たちは理解せず、目の前のことに捕らわれて社会を進めているようです。

未来の子どもたちのために、何が今大切なことなのか、きちんと考え選択していくときです。

地下資源よりも地上の資源を循環させることがサステナブルにおいても重要です。
せっかくの豊かな命の資源を持つ日本で、まず先に向き合う必要があるのではないでしょうか。

(家の話 より 山城京子)

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