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古民家のこと

「古民家再生」は今では当たり前の言葉になりました。
12年前「古民家」という言葉がまだ無かった時「古民家鑑定士」という資格制度を作りました。
当時は通称「民家」でその中でも「ふる家」「ふる屋」と言われていました。
「耐震性が無いから解体して新しい住宅に建て替えるべき」が当たり前の時代です(まだその名残はありますが)
1945年(昭和25年)に建築基準法が制定されています。
そこで従来の「伝統工法」から「在来工法」に変わりました。
今まで「約1300年続いた日本の住文化」が変わりまた70年弱ということになります。
 私は「先人の知恵が詰まった日本の文化、古き良きものは安全と安心を確保して残し活用すべき」と思っていました。
当時「重要文化財」「伝統建築物群保存地区」等しかその考え方は無かったのです。
【もったいない】という言葉に代表される「いいものを大切に使う」の当たり前の考え方は
「新しい機能性に高いものが良い」の考え方に押されていました。
実際に日本の住宅の建築寿命は世界に比較しても極端に短命になっています
(住宅寿命は日本は約30年、イギリスは130年、アメリカは100年となっています)
私は「古民家の価値を評価し残し活かす」を目的に「古民家鑑定士」という資格を作ったのです。
現在その資格者は「のべ13000人」を超えています。
少しづつですが「古民家を大切に使うためにその正確な評価をしたい」という考え方が広がり、
「古民家鑑定士」資格制度の有資格者の増加と共に「古民家を活かし活用するという市場」を創られました。
そして「古民家鑑定士」は「伝統工法住宅の評価を文化的・環境的視点からする
インスペクション(評価)をして提案」することで地域のお役に立っています。
国は地方創生の切り札として「古民家」に注目しています。
最近各地で
「インバウンドで古民家を再生して民泊をやりたいんです」そんな相談を受けます。
古民家を活用しての「レストラン」「宿泊施設」など・・・ブームです。
私は「ブームは少し怖い」と感じ始めています。
【懸念1】適当な再生工事が増えている
100年経過している古民家は「もう100年使える」ように再生工事しなきゃないりません。
私はそれを「再築」と言っています。大学の先生等、有識者の方々と「再築基準」を作りました。
最近は古民家再生に
「クロスを貼ったり」「ベニアを使ったり」「糊の入った漆喰を塗ったり」
技術者不足を理由に「しっかり残す」を忘れているリフォーム工事が多く見受けられます。
100年残った古民家を20年使えればいいとのリフォーム工事が増えています。
耐震性も「既存不適格だから」との理由で無視されているリフォーム工事が多いです。
古民家を再築するのは「安全と安心」そして「もう100年使える」再築工事が必要不可欠です。
【懸念2】「古民家」が利益を出す道具に使われ始めている
「古民家」は「その地域の歴史=住文化」でもあります。
最近の古民家ブームには「経済=地方再生の道具に古民家を活用しよう」との意識を感じます。
「古民家活用」はいいことです。地域活性化に繋がります。
「古民家は地域の歴史であること」を忘れての経済優先のリフォーム工事に疑問を感じます。
歴史ある古民家は
周辺の方々の理解を得て「いっしょに守っていく」こと
それが「まちづくりの基本」であり「古民家を活かすことにつながる」と思います。
地域の方に愛される「古民家であること」が必要です。
「古民家を利用して個人がビジネスしているだけ」そう感じるケースが多いです。
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【懸念3】「古民家」にはメンテアンスが必要不可。
「古民家」を残し活かすには「若手大工・技術者育成」が必要不可欠です。
大工さんの待遇がよくないことから「大工になりたい」と思う若い人が減っています。
「育成」には時間と手間が掛かります。若手大工を育てるのは私たちの世代の使命でもあります。
「古民家再生協会」の進める「平成の若手大工棟梁検定」は3年目に入りました。
若手大工さんの育成に力を入れ「次世代の棟梁を育成すること」は並行して不可欠です。
「古民家」は先人の作ってくれた宝です。
大事に活用しながら「次世代に繋げて」いきたいと思っています。
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